培地、菌体サンプル中の超微量成分を定量します

計測技術の役割  技術の概要  活用例  利用方法  コンタクト先

計測技術の役割

超微量培地成分分析技術は、バイオものづくりプロセスにおいて、培地や細胞中に存在する極微量成分を高感度に検出・定量する技術です。

バイオものづくりに用いられる微生物の中には、ごく微量の代謝物を細胞外へ放出し、周囲の細胞へ情報を伝達するシグナル分子として利用しているものがあります。これらのシグナル代謝物を受け取った微生物は、細胞増殖や有用物質の生産開始など、さまざまな整理応答を示します。

このような代謝物を介した細胞間シグナル伝達の仕組みを解明することは、バイオものづくりプロセスを高度に制御するための新たな技術基盤となることが期待されています。超微量培地成分分析技術では、少量の培地サンプルからフェムトモルオーダーの超微量成分を高感度に検出・定量することが可能であり、新規シグナル分子の探索や機能解明を支援します。

図 本技術が解決するバイオプロセス開発中の課題

技術の概要

超微量培地成分分析技術の主な測定対象は、微生物間相互作用に関与するシグナル物質などの超微量代謝物です。現在、本拠点では、独自の計測技術を高度化し、低濃度で作用するシグナル物質の検出から構造推定までを迅速に実施できる、高感度・高精度な次世代メタボローム解析システムの開発を進めています。

本拠点の強みは、ナノLC/MSを用いた世界最高感度のメタボローム分析技術と、超微量成分の損失を最小限に抑えて分析系へ導入する試料調製技術を有している点です。これらの技術により、従来は検出が困難であった微生物間相互作用物質(シグナル物質など)の検出・構造解析が可能となります。さらに、これらのシグナル物質を同定することで、可培養化因子としての活用や、共培養系におけるバイオ生産プロセスの高度化・高効率化への応用が期待されます。

活用例

産業技術総合研究所の玉木 秀幸研究グループ長らとともに既知のシグナル物質生産菌やアシルホモセリンラクトン生産菌の培養上清を分析し、必要な試料量や分析系の感度など、今後の技術開発のベンチマークを設定しました。その結果、試料濃度1 nM以下、絶対感度数fmolでシグナル物質を検出できることを確認しました。さらに、ノンターゲットメタボロミクスのデータ解析手法を組み合わせることで、超微量シグナル物質の迅速な検出および構造推定を可能とする解析システムへの発展が期待されます。

利用方法

本技術は現在、基盤技術の開発を進めており、実用性検証に向けた研究を実施しています。
本技術にご関心のある企業・研究機関の皆様は、ぜひ一度ご相談ください。